湿度の低下による目への影響

乾燥した環境にいると、目を覆っている膜から水分が奪われて目が乾いてしまいます。 この「涙液膜」は、3つの保護層で構成され、通常は7～9 nmの厚さで角膜の表面を覆っています。 微生物感染に対する防御として機能しており、角膜に必須の酸素と栄養素を供給し、老廃物を取り除き、鮮明な視力と健康な目に必要な湿った環境を提供しています。

角膜前涙液膜が乾燥すると、目の痛みや灼熱感、かすみ目、目の感染症などの発生につながる可能性があります。また、コンタクトレンズは涙液層からの蒸発速度を速めるため、コンタクトレンズ装用者は特にドライアイのリスクにさらされています。

目に負担をかけるVDU（ディスプレイ）を扱うようなオフィスで働く人たちにとって、相対湿度40%未満の乾燥した環境は、過度の不快感や刺激を引き起こす可能性があります。こうした環境は従業員の健康に影響を与えるだけでなく、生産性にも影響を与える可能性があります。 英国では、2002年のディスプレイスクリーン機器の健康と安全に関する規制に関する健康と安全に関する行政機関の取り組みで、「湿度は、不快感や目の痛みの問題を防ぐレベルに維持する必要がある」と述べられています。

相対湿度を40 ～ 60%に維持することで、涙液層の蒸発や「ドライアイ症候群」に関連する問題を防ぐことができます。

3つの角膜前涙液膜層

A - 私たちの涙液層の最大の層は、涙腺から排出される水性層です。

B - マイボーム腺から排出される外側の脂質層は少しだけ油性で、まぶたの動きを滑らかにし、水層の蒸発を抑制します。

C - 結膜杯細胞から排出される最も内側の粘液層は、涙液膜を保持し、均一に分布してくれます。